緑が丘クリニック 医療法人承継 成功のポイント

M&A概要

・2019年3月、株式会社ミナトにクリニック譲渡のご相談を頂く

・2019年9月、後任の河端医師と面談、売買条件を調整後、同年12月から引き継ぎを開始

2020年4月1日、医療法人の出資持分譲渡により引継ぎ、引退。

インタビューの様子(左:元理事長 髙木勇 先生 / 右:インタビュアー (株)ミナト代表 猿田)

引退を考えたきっかけと後継者探し

-最初に引退を考えられたのはいつ頃でしたか?

高木様:60歳ぐらいのときに、1人で診察を続けるのはきついと感じるようになってきました。インフルエンザの時期は特に患者さんも多かったので、体力的に結構ぎりぎりでした。それがきっかけでした。

私は家族と過ごす時間を大切にしていましたし、プライベートの時間も欲しかったのでパートのドクターを雇って診療を継続しました。

本格的に辞めようと思ったのは63歳のころ。同期をはじめ、あらゆる人に電話したんですよね。出身大学の内科の医局に「誰か固定で来れないか」と相談したらダメでしたが、出身の外科の医局に相談したら出張医を出してくれました。

その後、北海道医報の売医院・貸医院にも掲載。募集内容を見た方から連絡が入るようになりました。

-そのタイミングで私からご連絡して、後継者探しをお手伝いさせて頂いたのですね。

第三者への承継の成功要因

-髙木先生がクリニックの承継に成功した要因は何だったと思いますか?

パートのドクターを雇って、4~5年続けたというのは、今回承継するうえでも結構大きなポイントだったかもしれないです。でも普通のクリニックでパートのドクターを雇うのは、結構勇気がいりました。

当初は、私のやり方と違うドクターがクリ二ックに入ることで、患者さんが離れてしまう懸念がありました。また、従業員の中にも「他のドクターが診察したら患者さん減りますよ」という意見もありました。その頃は2診体制のクリニックはあまりなかったですから。

しかし、結果的には大きな影響を受けませんでした。私に診察してほしい患者さんは、私の診療日に来院します。私でなくてもいいという患者さんは別のドクターにも診察してもらいました。

-パートのドクターを雇用しても来てくれる患者さんは多かったということですね。

患者さんが減る前に引き継ぐ

-第三者に承継しようとするとき、すでに患者さんを減らしていて、後継者がなかなか見つからないケースもあります。

高木様:患者さんを減らさないで引き継ぐことが大事だと思っていました。「患者さんが減ってきたので辞める」というのでは引き継ぐ方にとって魅力が減ってしまうと思いました。これが私の考えの根底にあったので、患者さんが多く、(クリニックの)商品価値が高いタイミングで譲渡しようと思いました。

-引き継ぐ先生にとっても患者さんを引き継げるのは大きなメリットですよね。

高木様:私が抜けたあとも、患者さんがそのまま河端先生に移ってくれることを願いました。それが一番の地域医療です。定期的に来ていただける患者さんは2,000~3,000人いました。そのほとんどが、先生が変わっても継続して来院して頂いてる印象があります。

今回、河端先生の良かった点は、前の病院を辞める前に来てくれたところでした。私が引退する前から週に1回程度診察に加わってくれていたので、患者さんをスムーズに引継げたと思います。

自宅とクリニックの切り離し

-他にもクリニックを譲渡するために、意識されたことはありますか?

高木様:自宅とクリニックを切り離したことですね。自宅付きクリニックだと不動産として大きすぎて、引き受けたい人はいないと思いました。自宅と繋がっている部分を壊して、クリニックと自宅を切り離すのに1,200万円の費用がかかりました。「買い手もまだ決まっていないのに壊すのですか?」と建設業者に言われましたが。

-まだ買い手が決まっていないタイミングでしたので、私も驚きました。

自宅とクリニックの切り離し後

クリニック承継のような大きな売買には仲介人が必要

-後継者を探すのに、弊社のような仲介会社を使って頂けたのはなぜですか?

高木様:私がクリニックを建設する時、別の場所に家と土地を持っていました。クリニックの建設費用を借りる条件が不動産の売却でしたので、不動産会社に売却を頼みました。知り合いの社長に相談して、実際に物件が売れたのですが、900万円ほど損失が出ました。でもその時の経験が大きかったのです。社長が「こういう大きな売買は仲人が必要なんです。結婚式も不動産売買も、間に立つ人をお互いが信用して価格が決まるんですよ」と教えてくれました。だから今回のクリニック承継も仲介者がいないと駄目だなと思っていました。直接の売買は難しいなと思い、猿田さんのコンサルティングがあって、とても助かりました。

-そう言って頂けると嬉しいです。

なぜ(株)ミナトに仲介を依頼したのか

-他にも仲介会社があるなかで、弊社に仲介を依頼いただけた理由も教えていただけますか?

高木様:猿田さんの人柄を見ました。若いけど信頼できそうだなと。きちんと会社の説明もしてくれましたし、あまりいいことばかりを言わないのもポイントでした。

丁寧にプランを説明してくれました。ただ譲渡先を探します、ではなく、具体的な手順や費用の発生も説明してくれましたよね。いくつかの約束事を事前にしてもらえました。

-秘密保持契約書を結ばせていただいたうえで、決算書類お預かりし、プランをご提示させていただいたと思います。

高木様:あとは実績も大事ですね。匿名でもいいので、どういう顧客を持つのかが分かって信用できました。

左:旧ロゴの看板 / 右:新ロゴの看板

これから医療承継を考えている方へ

-最後に、これから医療承継を考えている方に、メッセージやアドバイスがあればお願いします。

高木様:まずはクリニックを承継するケースがもっと増えればいいなと思います。いわゆる親子間承継だけではなく、親族以外の医師に引き継ぐ選択肢が広まればベストだと私は思います。そうすれば、わざわざ新しいクリニックを建てる必要も減るでしょう。

私が上手く承継ができたのは「こだわり」がなかったからかもしれないですね。最初にパートのドクターを雇ったときは譲渡なんて考えていませんでした。ただ、自分ひとりでやるのは大変だったから、患者さんのためになることをやってきただけです。

-高木先生のような考え方の源泉はどこにあるのでしょうか?

高木様:私の考え方は聖書から学びました。お金や物が大切という考えではなく人としてどう生きるのかを大切に考えてきました。だから、自分の利益が減るけれどもパートのドクターを雇って自分自身を見つめる時間を確保しながら診療を続けれたと思います。『自分にして欲しいことはみな、人にもしなければなりません』(マタイ7章12節)の黄金律に従うことの大切さも学びました。それで、患者さん、病院スタッフ、継承してくださる方にとっても最善のことを考えることができたと思います。これら全てに感謝しています。

-素晴らしいお言葉をありがとうございます。そして宣言通り、65歳で引退されましたね。

高木様:猿田さんは信じないかもしれないけど、私は65歳で辞めますと祈りました。そうしたら、猿田さんと河端先生が現れたからびっくりしました。祈りが通じて後継者が出てきたと思うぐらい、本当にいいチャンスでした。もちろん猿田さんが尽力してくれたのも大きいですよ。仲介人のように間に立つ人が重要で、猿田さんの仕事は大事だと思います。

-これからも医療法人の承継に貢献していきたいと思っています。ありがとうございました。

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writer: やまちの (https://note.com/yamachino)

内科・脳神経内科 / 旭川市緑が丘東4条1丁目3-15