今回は2020年6月に弊社の仲介で、介護施設を買収した三谷社長にインタビューしました。
三谷社長は経営未経験から、介護施設を買収して独立しました。
前編では、初めてのM&Aが成約するまでのお話を伺いました。
プロフィール
三谷 竜吾(みたに りゅうご)
1990年生まれ。株式会社Green nestとハイム介護計画株式会社の代表取締役・看護師。
株式会社Green nestは経営コンサルティングや採用代行サービスを営む。
2020年6月に承継したハイム介護計画株式会社ではデイサービスと有料老人ホーム事業を営む。
2021年5月には新規事業として、訪問看護事業を開始。
M&A概要
- 2019年11月 株式会社ミナトから三谷さんへM&A案件のご提案
- 2020年2月 基本合意契約
- 2020年5月 最終合意・株式会社Green nest設立
- 2020年6月1日 株式会社Green nestでハイム介護計画株式会社の株式を取得し子会社化
一看護師が介護施設をM&Aしたきっかけ
-はじめに、三谷さんのキャリアを教えてください。最初にお会いしたときはまだ看護師として病院にお勤めでしたよね。
三谷さん:2019年は慢性期の病院で看護師として勤務していました。それ以前も急性期の病院で看護師として従事し、患者さんの看護や介護をしていました。
-今回、ハイム介護計画株式会社様(以下:ハイム社)のM&Aを考えたきっかけを教えてください。
三谷さん:もともと看護師の仕事は好きだったので、看護師の資格を活かして仕事したいと考えていました。なので、ハイム社の話を聞いていくうちに松前町で「看護師の資格を活かせば、自分ならもっとうまく看護や介護の事業ができる」という自信が出てきました。自分だったらもっとこうしたい、という思いが強くなってきたのがきっかけですね。そこからいろいろ調べて勉強しました。
-なるほど。とは言え、当時はM&Aはもちろん、経営の経験が無かったときに、はじめてM&Aのお話を聞いて印象はどうでしたか?
三谷さん:経営に関してはすごく興味はあったのですが、素人にはリスクがあると思い、手は出せなかったですね。そんな時に、知人から声をかけられて、M&Aの話を受けました。
-(株)エミアスファーマシーズの畠山社長(以下:畠山さん)からM&Aの話を聞いたときですね。
※(株)エミアスファーマシーズ:北海道北斗市に本社を構える調剤薬局グループ
三谷さん:そうです。それこそ経営とか全くやってない人にいきなり、M&Aの話をされても「詐欺じゃない?」って思いました。周りに相談しても「詐欺じゃないか」と言われ、それが正直な印象でしたね。売却したい人が、売上が上がってるのに会社を手放す心境や、アーリーリタイアする気持ちも全く分かりませんでした。
-何故、そこからさらに詳しく話を聞いてみようと思ったのでしょうか?
三谷さん:経営には興味があったからですね。やるにしても、やらないにしても自分の勉強のために話を聞いてみたい気持ちがありました。詳しいことを聞きたいんだったら仲介会社を紹介するよということで、猿田さんをご紹介いただきました。
-2019年11月に初めてお会いしましたね。
三谷さん:前にも言ったと思うんですけど、猿田さんと最初に会った時、M&Aの話も相まって、胡散臭いなあと思いましたよ(笑)
-そうですよね(笑)そう思うのも仕方がないと思います。
身近なロールモデル
-「M&Aって詐欺かな?」というところから、三谷さんがM&Aを進められたのは、身近に経営もM&Aも経験している畠山さんがいたのも大きかったと思います。
三谷さん:畠山さんからはM&Aの進め方について、初歩的な部分から教えてもらいました。猿田さんからも説明はありましたが、実際にM&Aを経験している畠山さんの話は案件を進めるうえで参考になりました。
-三谷さん、畠山さん、私の3人で銀行にも一緒に行きましたね。
三谷さん:はい、畠山さん猿田さんと一緒に2020年の年明けてすぐ、融資の相談で銀行に行ったのを覚えています。銀行で喋ることをたくさん考えていたのに、ほとんどお二人が答えるので、私は「はい」だけで終わりました(笑)お金を借りるにあたっての最低限の知識が当時はまだありませんでした。
はじめてのM&Aで苦労したこと
-その後、2020年2月に基本合意、同年5月に最終合意しました。
三谷さん:今、事業拡大のために色々なM&Aの案件見ている中で思うのは、今回のハイム社の案件はハードルも難易度も高かったんじゃないかと思います。この1年半を振り返ったら、売買の直前が一番大変でした。
-最終合意までの間、もっとも苦労されたことは何でしたか?
三谷さん:新しいことを学習するという大変さですね。すごいストレスで円形脱毛症になりました。また、M&Aの交渉は大変でした。買い手はやっぱり安く買いたいし、売り手は高く売りたい。そこのニュアンスが難しいです。初めてだったら、相手の言われるがままになってしまう。なので、猿田さんがいてくれたので、すごく助かりました。初めてM&Aをやるとなった時に、協力してくれる方々がいないとちょっと難しいですね。
-今回の案件に仲介役(猿田)がいたことで、どんなメリットがありましたか?
三谷さん:本当に助かりました。猿田さんには、本来しないであろう仕事もやっていただき、すごく勉強になりました。M&Aした後も、言葉遣いや言葉の引き出し、考え方は、猿田さんを真似してる部分もあります。
-ハイム社の案件は、普段の仲介の枠を超えて支援させて頂きました。私の場合、買手は法人であることが多いので、個人の方に買収して頂くためにはいつもより手厚いサポートが必要だと思っていました。
例えば、銀行融資の打ち合わせに同席して株価の評価方法と評価額について説明したこと、融資の受け皿となる会社((株)Green nest)の設立、「経営承継関連保証」制度を利用した売買、等は私自身も初めての経験で逆に勉強になりました。
三谷さん:このタイミングで起業の準備していたわけではなかったので、自己資金が潤沢ではなく、その点も苦労しました。
-売手側の社長をはじめとして、銀行の支店長、畠山さんの協力もあって、希望通りの融資を受けてM&Aが成約しました。その中で、融資を満額受けられた場合、受けられなった場合等など、色々なスキームを検討して交渉していた結果として、基本合意から最終合意まで3か月以上という長い交渉期間を経て最終合意に至りましたね。
三谷さん:様々な方の協力があって、チャンスを掴むことができました。
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